海のようにわたしをさらって
►10/20(土) 22:40 西部講堂
(オールナイト)
名だたるクラシック音楽を背景に奏でられるクィア・ポルノのオムニバス。
身体と欲望。作品の“演奏者”はそのどちらも肯定的に捉え、心の底から“演奏”を楽しんでいる。 わたしたちを構成する要素は内外ともに流動的だ。クラシック音楽はできた当時はクラシック(古典)ではなかった。後世の人がそう名付けただけである。同様に「なんなのこの人たち?」という感覚は現代の価値観に囚われているだけなのかもしれない。
ドーナツがあってこそのドーナツの穴。「ふつう」の存在には「ふつうでない」が不可欠だ。しかも、「ふつう」「ふつうでない」「タブー」「タブーでない」などは時代とともにかわりゆく。ものごとの(現代視点の)感覚が逆転し、理解と混乱が波のように間断なく押し寄せる、極めて挑戦的な作品である。
この映画で新しい世界を見たって?それは新しいものでもなんでもなく、古典的(クラシック)な世界なのではないだろうか。
邦題:海のようにわたしをさらって
英題:Take Me Like The Sea
監督:Salty Cheri|39分|2017年|ドイツ|英語・フランス語
web:https://www.facebook.com/tmlts/
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