~ 歴史をつくる これからも わたしたちも ~
関西クィア映画祭には、クィアを考える様々な要素、出来事、出会いがいっぱい。「普通」じゃなくてOK、「普通」じゃない集まりの中でも「普通」が作られてしまうけど、それじゃ物足りない!だから、もっと「普通」じゃないものを!そんな刺激的な発想を与えてくれる関西クィア映画祭、「関クィ」が、私は大好きです。
性の多様性を考えるとき、メインストリームでは、どうしてもセクシュアルマイノリティだけに限って考えてしまう。それも、セクシュアルマイノリティの中のLGBT。それは確かに問題だ。「私がそこにいない」という声をどれほど聴くか。関クィはそんなことは百も承知の問題と見なして、さらに広い範囲の問題を考える。それは人種であったり、民族であったり、言語であったり、身体であったり。貧困も、障がいも。
さて、私たちが今回の映画を見るとき、当該の問題をどこまで性に関連づけているのか?登場人物の性別は何であるか?性自認は何であるか?性的指向は何であるか?交際関係のあり方は何であるか?そんなことを考えてしまうかもしれないが、実際の人間はそれらだけの問題をまとったものではない。ここに示したものは、多くの要素の中のごく一部のものを指しているにすぎない。生きている人間そのものの性に焦点を当てようとしたときには、全体的で複合的な問題が垣間見えてくるはずなのだ。
こんな感じで、問題を否応なく考えさせてくれる関クィは、とっても魅力にあふれた映画祭です。これからも頑張っていきたいですね!第10回おめでとう!ありがとう!