2009年11月7日(土)に京都で開催された「関西レインボーパレード協賛上映会」は、スタッフもあわせて約40名の参加をいただき、大成功に終わりました。若いFtMの参加者も多く、主催側としても「見て欲しい人に見てもらえた」という点で、満足しています。
地球屋での二次会には10名が参加、三次会にも6名が参加し、あつく濃く語り合いました(笑)
ちょっと長めの感想2つとアンケートを、掲載します。アンケートは、なんと26名の方が書いて出してくれました。そのうち公開OKとなっているものだけ掲載です。
「FtM当事者の気持ちと周りの人々との気持ちの差があるのは、どの国もあるのだと感じた。中には理解してくれる人もいるが、誤解している人や嫌悪感を抱いている人に少しでも解ってもらえる社会になれたら、良いなと思いました。
アメリカというのはトランスジェンダーに対しての暴力はきついのが改めて感じました。」
「基礎講座など含めて非常に充実した時間を過ごせました。FTMの人にもそれぞれ、自分の問題に対しての考え方が違うのだとわかりました。色々な情報が頭に入ってきたので家でじっくり考えます。」
「自分のパートナーと一緒にこういった映画を観るのは初めてでした。複雑な内容ですし賛同するところもあったりなかったりしたのですが、いろんな方の生の声が聞けて良い経験になりました。」
「さらしを巻いているシーンや、手術のシーン、そしてFTMの方々の声を聞いて、自分自身のことをもう一度深く考えた。自分の体が嫌なのか、周りの目、扱いが嫌なのか、どのどちらも嫌なのだろうけど、自分はこの体でどう生きていくのか、ますます混乱した。」
「京都で映画祭をやるなら、四条烏丸にある京都シネマなどでやってもらえると嬉しいなと思いました。」
「映画を見る前に、ひびのさんからお話がなければ、情報量が多すぎて、脳がパンクしていたと思いました。
『アイデンティティーの確立』という言葉が、最近、強迫のように感じられます。」
「今回の上映会:短い時間でも、基礎講座があったのはすごく良かったです。勉強になりました。映画自体は確かに難しかったけれど、その分考えさせられて面白かったです。
関西クィア映画祭:全部の映画を見たいのですが、他の予定もあってそうもいかず…1本の映画を複数回上映してくれると尚嬉しいです。」
「このような性を扱うドキュメンタリー映画を見たのは初めてのことでしたが、今までの性への理解が変わりました。トランスしたいからするという人もいるが、しなければ私という存在を保つことができないという切羽詰まった理由からする人もいるということに心を打たれました。また、トランスしたから全てが解決するわけではなく、トランス後も苦しむことが多いということも、理解できました。
「内容が難しかった…(自分の知識不足もありますが)
fightという言葉が使われていたけれど、誰かを敵視する感じがして嫌だった。それより、相手を理解する、分かち合うみたいな表現の方が好きだと感じた。移行手術する前でも後でもパートナーのことが好きだったと思うと言ったシーンが素敵でした。」
「こういったドキュメンタリー映画を観たのがはじめてだったのですが、難しい話も確かに多かったです。ただ、自分と同じように感じる部分・意見を聞くことができ、とてもうれしかったです。『うれしかった』というのはなんだか少し違う感じもしますが、『観てよかった』と思えました。
「初めての参加でした。単純に映画もそうですし、講座のお話でも知らないことがたくさんあって、もっといろいろ知りたいと思いました。次回以降もぜひ参加したいです。」
「自分のセクシュアリティーは何なのか、考えながら見ていました。今日の映画祭のような会に出向いて、ただこの空気感を感じるということが新鮮で大切なことだと思いました。」
「映画は十分興味深いものでした。ですが、専門用語が少し多かったように感じました。初心者の方には難しかったのでは…?」
「トランスVSフェミニスト」という部分がとてもむずかしいと感じました。
自分自身のセクシュアリティがまだはっきりとしていないので、今も整理がつかないままです。
しかし最後の方で、3人のトランスジェンダーたちが手術後自分の胸を見る際によろこんでいた姿は、とても”うらやましい”と思いました。本当の自分を押し殺して生きている今の状況下では、自分がなりたい姿にやっとなれた三人の様子がとてもうらやましく感じられました。」
「Tジェンダーについての問題は難しいです。もっともっと知識をつけていきたいと思います。TGの周りを取りまく環境や歴史が深く絡みあって今の社会的な問題をつくり上げているのが分かりました。」
「映画には、ジェンダー関係もしくはその界隈ではよく使われている言葉が多かった。『ブッチ』『フェム』なんていう言葉は、本でもなかなか出てこないし、『ゲットー』はフェミ関係の本ではよく出てくるが、これはどう考えても市民権を得ている言葉ではないだろう。『ジェンダー』ですら大学生でも知らない人は多い。そのあたりをどうケアするかが、日本でジェンダー関連の話を理解させることのまず一番大切なことだろうと思う。」
「後ろというか真ん中より後ろは人の頭で字幕が全く見えないので、いすにざぶとんをひいて高くしたり、立って見ても可という形にできるとありがたいです。
入り口で一部のスタッフさんが少し怖くて、来てはいけなかったのかという気分を感じました。ボランティアされていてすごいとは思いますが、対応の仕方、言葉、態度とか、ちょっと怖いので、友好的?とまでは言いませんが、なんとかしてください。ごめんなさい。」
「もう少しセクシュアリティについての専門用語?なんかをなんらかの型で説明を入れて欲しかった。」
「分からない言葉があるまま映画を見るよりは、多少言葉の解説を事前にして欲しいです」
「この様な機会がないと見ることのなかった映画だと思うので、とても良い経験になりました。」
友人に紹介のハガキをもらい、あまり事前の知識もないまま拝見させていただきました。
映画の内容は以前に見たことのある同性愛者の方のドキュメンタリー(ドキュメンタリーじゃないかも…『Go Fish』というすごくかわいい作品で、10代で見たとき新鮮でした)よりも、具体的で切実で興味深かったのと同時に、自分のジェンダーやセクシュアリティーについて、映画に出ていた人たちのように突き詰めて考えたことがなかったかも、と思いました。
性的な違和感を持った人々が、精神的にも身体的にも、このようなかっとうを極限まで経て、差別の中に置かれてもなお自らの手で獲得しなければならない「性」ってなんなんだろう?!って思います。身体のあり方も含めてどうやっても自分と切り離せない。
この「性」というものの大きさに単純な驚きを持ちました。現実的には色々な問題があるみたいですが、自分の性を選択できるという価値観が明確になってきた現代だからこそのものだと思えます。男性中心の社会というのも永久ではないと思うし。(男性性に対する嫌悪感は私にも確実にありますが)もしたたかうとしても私はやんわりたたかいたいなと思っています。」
関西クィア映画祭 実行委員会
https://kansai-qff.org/
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