「タイヘン×ヘンタイ」

わたしたちは、「性別や恋愛のあり方、生き方は多様だ」という思いのもと、集まりました。ところが時間を重ねると、どうやらわたしたち自身も自分とは違う性のあり方をよく知らなかったり、なかなか認められないことがあるようだと分かってきました。また「わたしたち」の間にも、性とは別の面での差別(民族、障害、社会的地位など)もあります。残念なことですが、「少数派の中の少数派」を作ってしまうことへの無関心や、差別・抑圧は、「わたしたち」の間でも決してめずらしいことではありません。

わたしたちが本当に多様性と向き合い、これを手に入れるのは、とてもタイヘンなようです。「タイヘン」とは、性的少数派が生きていくことの大変さに加え、このような「大変さ」もふくんでいます。

そして、「ヘンタイ」とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、ヘテロセクシュアルといった言葉では表しきれない「わたしたち」それぞれの性のあり方や、その性のあり方も個人の人生のなかで「変わりうる/変態する」という現実を指しています。また、「フツーのヘンタイ」ではなく「とってもヘンタイ」であることを目指したい、という思いも込めています。

「タイヘン×ヘンタイ」は第三回映画祭のキャッチコピーでしたが、「私たちはひとりひとり違っているという現実に挑むんだ!」という心意気をこめて、継続して使用しています。