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Eプロ 
「パレスチナではレズビアンが殺されている」にどう答えるか
~イスラエルによる占領にも、ホモフォビア(同性関係嫌悪)にも、反対するために

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上映作品


0メートルの隔たり

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 パレスチナ人のセリムとアラブ系ユダヤ教徒のエズラは、エルサレムに住むゲイカップル。しかし、セリムは西岸地区に強制送還されてしまい、エズラと一緒にエルサレムで暮らすことができない。
 イスラエル市民でもあるエズラは、イスラエルによるパレスチナ占領に反対して、今日も検問所の兵士に語りかける。「命令に従っているだけ」と言う兵士に対して、エズラが問いかける―「ナチスもそうだった。自分が何をしているか、自分で考えて欲しい」。
 レズビアンカップルであるエディトとサミラは、占領に反対するデモに参加している。しかし、軍事政権の抹殺リストに載っていたアルゼンチンからイスラエルに逃れて来た移民ユダヤ教徒の家族の一員であるエディトにとっては、イスラエル国家は自分たちの家族を救った存在だった。エディトにとっての祝日「イスラエル独立記念日」は、パレスチナ人のサミラにとっては、イスラエルによる侵略が開始された悲劇の日だった。
 この映画の監督の祖父母は、実はイスラエル建国運動に関わっていた。映画は、その当時の記録フィルムも織り交ぜながら淡々と進む。イスラエルによるパレスチナへの侵略と占領が継続される現状で、各個人の置かれる政治的背景が大きく異なっている2組の同性カップルを通して、「個人と個人」「個人と社会」の、複雑な距離感を描くドキュメンタリー。
(原題:Zero Degrees of Separation/監督:Elle Flanders/89分/2005年/カナダ/言語:英語・ヘブライ語・アラビア語/字幕:日本語と英語)

トーク:ひびの まこと

バラタ難民キャンプにて
ひびの まことは、非暴力直接行動を掲げてイスラエルによる占領に反対するNGO「国際連帯運動」に2002年に参加し、イスラエル軍に身柄拘束された経験を持つ。またその当時テルアビブで開催された中東地域唯一のプライドパレードにも参加し、「占領が続く今、カラフルなお祭をすべき時ではない」と訴えて黒ずくめ衣装でパレードに参加するグループ「ブラック・ランドリー」にも出会った。
(→写真集


企画の趣旨

 イスラエル軍のガザ侵攻が続く今年1月、23日~27日に大阪梅田のヘップホールで、「性をテーマとした映画祭」である第4回関西クィア映画祭が開催されました。世界中が注視する中で公然と繰り広げられるイスラエル軍の殺人と破壊行為に強い怒りを覚えていた私は、その映画祭の会場に以下のポスターを掲示しました。

追悼
No Pride In The Occupation
性を理由とした暴力がなくなるまで。
性に関わりなく人の命を奪う
戦争と占領がなくなるまで。
イスラエルによる、今も続いている、ガザ地区への
侵攻・占領・封鎖に抗議します。
ひびの まこと

 すると、観客としてきていたイスラエル人から意見が寄せられました。いわく、ガザから発射されている数千発のミサイルに抗議しないのはなぜか。パレスチナではゲイたちが死に至ることもある身体的な虐待を受けていて、それから逃げるためにイスラエルに来るゲイもいる。可視的で活動的なゲイコミュニティーがあり、法律によっても守られている中東で唯一の国であるイスラエルが、クィア映画祭において、まるで人権の侵害者であるかのように表現されているの見て、皮肉に思った。などです。
 実は私が2002年にパレスチナ/イスラエルに行った時にも、同じような経験をしました。占領に反対するある集会会場で、私は、占領に反対すると同時に性的少数者の権利をも訴えるチラシを配っていました。すると、集会に反対するために来ていたイスラエル国旗を持った正統派の人達にこう言われたのです。「イスラエルではゲイの権利が守られている。しかしパレスチナの村ではレズビアンが村人に殺されている。あなたは何故そんなパレスチナの味方をして、イスラエルを非難するのか!違うじゃないか!」
 わたしは、イスラエル軍によるパレスチナへの侵略・占領・封鎖に反対です。しかしだからといって、パレスチナの社会において性的少数者が殺されることをやむを得ないと考える訳ではもちろんありません。
 「誰の味方か」「どちらの側か」のような単純化したアプローチではなく、イスラエルによる占領にも、イスラエルやパレスチナを始め世界中にある同性関係嫌悪(ホモフォビア)にも、それぞれに反対するということがどういうことか。中東地域唯一の性的少数者のパレードにおいて「占領が続く今、カラフルなお祭をすべき時ではない」と訴えて黒ずくめ衣装で参加していたクィア系グループ「ブラック・ランドリー」の主張も参考にしつつ、皆で考える場を持ちたいと思います。

ひびの まこと(関西クィア映画祭)


参考リンク

本企画は2009/5/16(土)に京都で開催された同名の企画の東京版です

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関西クィア映画祭 実行委員会
TEL 080-3820-2731
メール TOKYO2009[at]kansai-qff.org
https://kansai-qff.org/