春の新歓ミニ企画
「クィア」な私たち。どう考える?どう行動する?
日本でも、同性婚訴訟が各地で勝訴し、性別変更の手術要件も最高裁が違憲の決定。イスラエル政府でさえ、パレスチナ人への虐殺を正当化するために「私たちはLGBTの味方だ」と宣伝する時代です。その一方で、トランプ政権はLGBTの権利を攻撃し、ネット上でのトランスヘイトもいっこうに無くなりません。
日本でも、世界でも、大きく状況が動き、しかも「LGBTの権利」が政治利用されまくるようになってしまった今、「クィア」を掲げる私たちは、どのように考え、行動したらいいのか。またクィア映画祭がいま果たすべき役割は何か。そのことを一緒に考えてみませんか。
- 日 時:2025/5/10(土)
12:45開場/13:00開始(17:00退出完了) - 会 場:ウィングス京都
(東洞院通六角下る。阪急烏丸駅・地下鉄四条駅から徒歩) - 定 員:20名程度
- 参加費:500円以上のカンパ
- 内 容:映画鑑賞、参加者どうしの意見交換や質疑応答。交流会。
- 以下のボタンから、できるだけ事前に参加申込みをお願いします。当日にどんなテーマについて話し合うか、事前の参加申込者の希望を参考にして決めます。
- 当日も席に空きがあれば、飛び込み参加も可能です。
- 手話通訳を希望される方は、お手数ですが、5/7(水)までにご連絡ください。
- ウィングス京都は現在、大規模改修工事中です。いつもの正面入口(自動ドア)からは入れません。入館は、北出入口(駐輪場奥)からお願いします。
- 車椅子でお越しになる方は、お手数ですが、事前にご連絡ください。(段差のある北出入口(駐輪場奥)は、車椅子では入りにくいため、他の入口をご案内します)
【企画内容】
- 映画『R/EVOLVE—結婚と平等とピンクマネー』
(billie rain監督/2013/米国/85分/英語/日本語字幕) - 問題提起
- 参加者どうしの意見交換や質疑応答
- 企画終了後に、近くのお店で交流会(任意参加)
【映画について】
『R/EVOLVE—結婚と平等とピンクマネー』(billie rain監督/2013/米国/85分/英語/日本語字幕)
同性婚が法律で認められれば全て上手く行くはず。リンカーンと婚約したばかりのルーカスはそう思っていた。企業のイメージアップのために同性婚キャンペーンを計画したビッグコープ社。やはりモデルはイケメン白人ゲイか、それとも…その広告を任されたリンカーンは、クィアなヒッチハイカー・ラクーンと出会い、保守的な会社と相容れない自身の思いに気付く。結婚の平等とは何か。その代償は何なのか。
同性婚を認めさせる運動が盛んだった頃の米国で作られた作品。レイシズムやお金問題も考えられる、楽しくてためになるエンターテイメント映画。
マサキチトセさんによる詳しい作品解説は、関西クィア映画祭2013で上映した時のページでどうぞ。
【タイムテーブル(予定)】
- 12:45 開場
- 13:00 開会・挨拶(5分)
- 13:05-14:30 映画『R/EVOLVE—結婚と平等とピンクマネー』(85分)
- 14:40-15:00 映画の感想を共有(1人1分)
- 15:00-15:50 テーマA+質疑応答(50分)
- 16:00-16:50 テーマB+質疑応答(50分)
- 17:00 退出完了
- 17:30-19:30 交流会(2時間程度)
【当日に話し合うテーマの例】
- 【テーマの例1】コミュニティー内マジョリティー/主流派による社会運動の独占。シングルイシュー主義の弊害
- 【テーマの例2】トランスジェンダー差別に本当に反対すること
- 【テーマの例3】クィアなパレスチナ連帯と、日本の植民地主義
- 【テーマの例4】プライドイベントのあり方
【テーマの例1】コミュニティー内マジョリティー/主流派による社会運動の独占。シングルイシュー主義の弊害
▼なぜ同性婚訴訟だけは、勝訴できるのだろう。
既に複数の高裁で勝訴している。
その一方で、選択的夫婦別姓は敗訴。
女性が受ける性暴力被害も、不処罰の不当判決がとまらない。
元日本軍「慰安婦」の訴えも全て棄却した、日本の裁判所なのに。
「原告らの…就労就業は、実質的には強制徴用、強制連行以外の何ものでもなかった」と事実認定しても原告敗訴を言い渡す、日本の裁判所なのに。
女性や朝鮮人の被害には冷淡で、同性婚にだけは好意的な日本の裁判所のあり方は、同性婚を認める判決の翌日に黒人差別判決を出した米国最高裁と、
うり二つに見える。
そういえば、同性婚ばかりが話題になり、婚姻制度それ自体の問題点を指摘する声が全然聞こえなくなってきたのは、気のせいだろうか。
婚姻の平等を求める運動が広がる一方で、いったい何が隠されつつあるのだろう。
【テーマの例2】トランスジェンダー差別に本当に反対すること
▼トランスジェンダーの法律上の性別変更のために、生殖能力を失わせる手術を課す「性同一性障害特例法」について、最高裁大法廷は全員一致で「違憲」と決定(2023/10/25)。しかし国会での法改正の議論は、一向に進まない。
果たして、立法が遅々として進まないのは、トランスジェンダーの権利を公然と攻撃するSNSでの書き込みなどの「トランスヘイト」が主因なのだろうか。そもそも「トランスジェンダーの権利を支持する」とは、どういうことを意味するのか。
2023年春、「LGBT理解増進法案」を可決させようとして、記者会見で以下の訴えをした人たちがいた(LGBT法連合会)。
【記者会見をしました】
— LGBT法連合会(Japan Alliance for LGBT legislation) (@lgbthourengokai) March 16, 2023
LGBT法案をめぐり、トランスジェンダーに対するヘイトが増えています。
LGBT法ができても「心は女だ」と言うだけで女湯に入れるようにはならず、公衆浴場のルールは変わりません。
こうしたデマがトランスジェンダー女性を苦しめています。
#トランスヘイトをなくそう pic.twitter.com/mcllIRkkE0
しかしなぜこの人達は、
様々な身体の状態の女性が
女湯に入れるべきです
公衆浴場のルールは
変えるべきです
と主張しないのだろう。
時間はかかっても、男女の考え方や性別についての認識を、根本から改めて変更することを社会に訴えることが、本当は必要なのではないか。
トランスヘイトをなくすことだけ呼びかけて、今の社会にあるトランス差別をなくそうと呼びかけないのはなぜだろう。
【テーマの例3】クィアなパレスチナ連帯と、日本の植民地主義
【テーマの例4】プライドイベントのあり方
▼「虐殺加担のアライは要らない!」が意図せず暴く日本の植民地主義
イスラエル政府の虐殺加担企業としてクィアな活動から批判される、川崎重工など大企業の、プライド企画への協賛参加。
その同じ協賛参加企業が、戦時強制労働の被害者である元徴用工の賠償請求を拒否してきた企業である事を、日本のクィアな運動は問題にしてこなかった。
パレスチナの人たちとその連帯の闘いは、日本のクィア運動内部にある「日本の植民地主義」への無関心をも、暴いてしまった。
同様のことは、米国政府との関係のあり方にも言える。
イスラエル政府によるガザ虐殺を、積極的に軍事支援する米国政府。
嘘をついて始めたイラク侵略戦争を挙げるまでもなく、国外で一般市民を最もたくさん虐殺した政府が、米国政府。
しかし日本のプライド企画で、「私たち」は、米国政府をちゃんと批判することが出来ず、逆にまるで人権を擁護する政府であるかのように扱ってきた。
「LGBT運動は、欧米の手先」という批判に、ちゃんと向き合えていなかった。
【主催】
関西クィア映画祭 実行委員会https://kansai-qff.org/
TEL:080-3820-2731 (留守電にメッセージをお願いします)
FAX:06-7878-8882
メール:info@kansai-qff.org
実行委員を募集します
一緒に関西クィア映画祭を1から作り上げる仲間を募集します!
興味のある方は、お気軽にメールでお問合せ下さい。
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