[English]  [参加券購入]  [企画参加(視聴)]   夏のミニ企画2020 関西クィア映画祭

アウトインザナイト  在日

「日本には人種差別がないから関係ない」ってホント?
—#BlackLivesMatterと在日朝鮮人差別から考える

1日目8/29(土) 13時 #BlackLivesMatter とクィア
2日目8/30(日) 13時 在日朝鮮人差別と闘いの歴史を知ろう


1日目 8/29(土) 13:00〜16:30
#BlackLivesMatter とクィア

  • 映画『アウト・イン・ザ・ナイト』(Out in the Night)
  • トーク:Black Lives Matter 運動について(キーン・ミシェルさん)

2日目 8/30(日) 13:00〜17:00
在日朝鮮人差別と闘いの歴史を知ろう

  • 映画『戦後在日五〇年史 在日(歴史編)』(Zainichi: The Story of Koreans in Postwar Japan (part1))
  • トーク【1】日本のセクマイコミュニティー内部における民族差別(ひびの まこと)
  • トーク【2】だれもがいきいきと生きられる社会のために—性差別撤廃部会の活動報告(朴金優綺さん)

企画趣旨

米国の3人の黒人女性、パトリス・カラーズさん、アリシア・ガーザさん、オーパル・トメティさんが始めたBlackLivesMatter(BLM・黒人の命を粗末にするな)運動。うちカラーズさんとガーザさんはオープンにクィアであると名乗っています。2013年に黒人のトレイボン・マーティンさんが射殺された事件で、犯人が無罪になったことがBLMのきっかけでした。今年5月、白人警官によって黒人のジョージ・フロイドさんが殺された事件を期に日本でも大きく報道され、大阪や京都でもBLMマーチが行われました。世界規模の帝国主義や植民地主義によって作られた黒人奴隷の歴史と今に続く米国の制度的人種差別を鋭く告発し、最近は「Defund The Police(警察に充てている予算を、他の民生部門に割り当て直すこと)」を掲げています。

日本でこれに相当するのが、在日朝鮮人への民族差別と、それに対する闘いです。現在も多くの在日朝鮮人が日本に住んでいますが、これは日本(大日本帝国)が朝鮮を植民地支配した事に起因します。徴用工裁判や日本軍「慰安婦」問題として未解決のまま立ち現れている課題もあれば、制度化された民族差別として日常生活に影響を及ぼしている課題もあります。米国やソ連(ロシア)の介入による朝鮮半島の分断という歴史にも抗いながら、同時に日本の民族差別にも抗する在日朝鮮人の闘いもまた、日本でも長く続けられています。

今回の「夏のミニ企画」では、米国のBLM運動や日本の在日朝鮮人の闘いについての理解を深めることで、それぞれの足元から人種差別・民族差別を問い直し、今の時代のクィアなあり方について考えます。
また、コロナ禍での新しい活動形態を視野に入れ、映画祭初のオンライン企画に挑戦します。



参加費・参加方法

  • 2日間通して1,000円(1日分だけの設定はありません)
  • ※経済的に支払困難な方には半額割引コードを提供します
  • 参加券の購入(オンラインのみ)はこちら:参加券購入ページ
  • オンライン企画です。全てインターネット上での参加になります。動画の視聴にはそれなりのギガ(帯域幅)を消費しますので、各自での準備をお願いします。
  • 映画の上映/視聴はvimeoを、ライブトークはYouTubeLiveを、予定しています。
  • 各映画は、イベント終了から3日間、9/2(水)24時まで、見逃し配信として再視聴が可能です。映画だけを見たい方でも、参加費を支払えば、配信期間中は映画を視聴できます。

情報保障

  • 映画『アウト・イン・ザ・ナイト』は、英語音声で日本語字幕つきです。
  • 映画『戦後在日五〇年史 在日(歴史編)』は、日本語版と英語版のどちらかを選んで視聴頂けます。
  • 全てのトークには、日英/英日の音声通訳があります。(通訳者:マイ、くみ)
  • ライブトークには、画面上での手話通訳があります。

Accessibility

  • "Out in the Night" will be screened with English language with Japanese subtitles.
  • "Zainichi: The Story of Koreans in Postwar Japan" will be screened by both Japanese version and English version. You can choice which version to watch.
  • Japanese Sign Language is available for talk session.

1日目

8/29(土) 13:00〜16:30
#BlackLivesMatter とクィア

1日目は、まず映画『アウト・イン・ザ・ナイト』(KQFF2016上映作品)を鑑賞し、米国における黒人クィア女性が置かれる状況についての理解を深めます。
その後、BLM京都の方から、BLM運動や日本における黒人差別について、お話を伺います。

映画『アウト・イン・ザ・ナイト』

  原題 Out in the Night
  ブレア・ドロシュウォルサー監督
  米国/2014/75分/英語/日本語字幕
  English with Japanese subtitles)
  第10回関西クィア映画祭2016上映作品

正当防衛の高すぎる代償。
2006年8月、暴力から身を守ったレズビアンたちは「犯罪者」となった。
ニューヨークのゲイエリアに繰り出した黒人レズビアンの一行の楽しい夜は、通行人からの暴力で一変する。黒人であること、女性であること、レズビアンであること―この3つが交差する時、暴力から身を守る手段でさえ犯罪化される。「レズビアンの殺人ギャング」「殺人未遂」に書き換えられる彼女たちの正当防衛と黒人レズビアン像。その夜、一体なにが起こったのか? 裁判はどのように行われたのか? 警察を信頼できない理由とは? メディアはどのように事件を報道したのか? 起訴された「ニュージャージー4」と呼ばれるレズビアン4人と、その家族や支援者へのインタビューで検証する作品。

  • 予告編(予告編には字幕がありません。企画で上映する作品には字幕があります)

ライブトーク Black Lives Matter 運動について

お話 キーン・ミシェル/Michelle Keane さん
Black Lives Matter Kyoto(BLM京都)のメンバーであるミッシェルさんに、BLM運動やBLM京都について、BLM運動とクィアであることの関係について、そして日本における黒人差別について、ご自身の経験からお話しして頂きます。

キーン・ミシェル/Michelle Keane さん
京都在住。京都芸術大学大学院ビジュアルクリエーション領域を2019年に修了、アニメーション専攻。人種差別をテーマにした人形アニメーションを修了作品として制作し、国際平和映像祭(UFPFF)2019のコンペディションでファイナリストに選ばれた。ジャマイカ出身。


2日目

8/30(日) 13:00〜17:00
在日朝鮮人差別と闘いの歴史を知ろう

「朝鮮人だよ」と言うと「日本語うまいね!」と返されるようになってきた、ウザい。
こんな話が現実になってきたのは、在日朝鮮人が日本になぜいるのか、日本で生まれ育った朝鮮人がなぜいるのか、その歴史的経過が社会的に共有されなくなってきていることの表れです。
2日目は、まず映画『戦後在日五〇年史 在日(歴史編)』を鑑賞して、在日朝鮮人の歴史を学びます。
その後、日本のセクマイコミュニティー内部の差別の報告と、いま日本で声をあげ活動している在日本朝鮮人人権協会の性差別撤廃部会の方から、お話を伺います。

映画『戦後在日五〇年史 在日(歴史編)』

  英題 Zainichi: The Story of Koreans in Postwar Japan
  呉徳洙(オ・ドクス)監督
  日本/1997/135分/日本語/日本語字幕と英語字幕
  Japanese with Japanese subtitles or English subtitles
  山形国際ドキュメンタリー映画祭2005カタログ

 1945年8月、日本の敗戦に伴い植民地支配から解放された朝鮮。それから50年に及ぶ「在日」と日本の歴史を、膨大な映像資料・証言をもとに描いた作品。前半「歴史篇」、後半「人物篇」合わせて258分にも及ぶ超大作を、今回の企画では前半「歴史篇」のみ上映。
 日本は植民地支配をした。そして敗戦後もそれ以前と同様に、在日朝鮮人や外国人に対する差別的な構造を、明確な意思をもってつくり維持してきた─このシンプルな事実の重みが、ずどんと画面越しに伝わってくる。この歴史に無知でいること・沈黙していることで、今も続く構造的差別に加担してしまうのだ。
 朴鐘碩(パクチョンソク)さん。金敬得(キムキョンドク)さん。韓宗碩(ハンジョンソク)さん。李鎮哲(イジンチョル)さん。声をあげ歴史をつくってきた「在日」一人一人の声を、映画を通して聞いてみよう。


ライブトーク【1】日本のセクマイコミュニティー内部における民族差別

お話:ひびの まこと
「セクマイだって、同じ日本国民(日本人)。だから差別しないで」ーこんな、日本人・日本国民のことしか考えない言動は「私たち」の間にも溢れています。松浦大悟参議院議員の国会質疑(2010年)と、クィア学会幹事会による、日本語以外での学会発表を認めないという決定を取り上げ、報告します。

ひびの まこと
「バイセクシュアル」としてLGコミュニティーのバイ差別を問題化。Xジェンダーとしてトランス差別を取り上げたり。「天皇制社会日本に抵抗するクィア有志」として、大阪のレインボーフェスタで日本軍「慰安婦」問題の展示出展や、米国総領事への「米軍基地いらない」のカウンターアクション。ほかいろいろ。関西クィア映画祭共同代表。
http://barairo.net/


ライブトーク【2】だれもがいきいきと生きられる社会のために—性差別撤廃部会の活動報告

お話:朴金優綺 (ぱくきむ・うぎ)さん
在日本朝鮮人人権協会の性差別撤廃部会は、「だれもがいきいきと生きられる社会のために」を合言葉に、在日朝鮮人女性の交流会<ポグムチャリver.1>や、在日朝鮮人セクシュアル・マイノリティの交流会<ポグムチャリver.2>を開催したり、朝鮮学校での人権教育のための出張授業、日本軍性奴隷制問題について考えるアクションなどを行っている。 今回は、この性差別撤廃部会で活動する、朴金優綺 さんに、普段の活動について報告して頂きます。
http://dareiki.org/

朴金優綺(ぱくきむ・うぎ)さん
在日本朝鮮人人権協会事務局員、朝鮮大学校講師、歌手。同協会性差別撤廃部会の事務局として、日本軍性奴隷制の被害者を記憶する「4.23アクション」や在日朝鮮人女性の交流会、在日朝鮮人セクシュアルマイノリティの交流会を主催。近年はジェンダーやセクシュアリティをテーマとした出張授業を各地の朝鮮学校で行っている。書籍『 だれもがいきいきと生きられる社会のために 性差別撤廃部会連続講座の記録&「在日同胞のジェンダー意識に関するアンケート」結果報告書』(在日本朝鮮人人権協会 性差別撤廃部会、2015年)を責任編集。