スイスの田舎町で、一人のレズビアンが「ゲイパレード」の開催を呼びかけて実現する、その過程を記録したドキュメンタリー。
小さな町なのでメディアに「顔出し」できる人がいない。町議会がパレード反対を決議し、右派がパレード反対の新聞広告を出す。保守的な町でパレード主催者は奮闘するも、カムアウトを恐れる地元コミュニティーからは「早急すぎる」「コミュニティーを分裂させる」と批判される。「町の人に受け入れられるため、過激なことはしない」と肌の露出を規制しようとする主催者は「保守的すぎる、協力できない」と地元活動家からさえ批判される。
「進んでいる」ように見えるヨーロッパでも、大都市以外では日本と変わらない現実があることが分かる。
バイセクシュアルが明示的に登場するシーンがない、トランスジェンダーが提起する問題点への言及が皆無、など、コミュニティー内でいつも同性愛者だけがことさら優遇されがちだという問題点もそのまま反映している事も含め、いろいろ考えることのできる映画です。
●上映履歴
山形国際ドキュメンタリー映画祭(2005)
関西クィア映画祭(2006)
京都★ヘンナニジイロ祭(2006)
札幌レインボー映画祭(2006)
連連影展〜フェミニスト・アクティブドキュメンタリー・ビデオフェスタ(FAV)(2006)
香川レインボー映画祭(2006)
邦題:パレード
原題:La Parade(notre histoire)監督:Lionel Baier
上映時間:81分
製作:2001年 スイス言語:フランス語
字幕:日本語字幕有り