仕組み

【上映までに必要なこと・仕組み】

1:上映する映画や付随企画の決定

  • 関西クィア映画祭スタッフは講演などを引き受けることも出来ます。
  • 映画祭実行委員会が必要と判断した場合には、映画祭の実行委員が企画の中で映画の解説などの話をする時間を設けることを貸し出しの条件にする場合があります。

2:映画の著作権者から上映許諾を得る(上映許諾交渉)

  • 上映許諾交渉は、原則として上映会主催者が行ってください。連絡先などは関西クィア映画祭までお問い合わせ下さい。
  • ただし上映許諾交渉を行う前に、事前に映画祭実行委員会まで、字幕使用についてのご相談をお願いします。

3:関西クィア映画祭から日本語字幕付き上映素材を借りる

4:会場確保・上映機材手配・企画の宣伝

5:上映会実施

6:上映素材返送

以下に詳しく説明します。

【上映許諾交渉】

 映画祭実行委員会は、管理する字幕についての使用権を持っており、字幕を貸し出すかどうかを独自に決めることが出来ます。しかし映画自体の著作権を持っている訳ではありません。映画を上映する際には、まず上映する人が、映画の著作権者(監督や配給元など)から上映許諾を得る必要があります

  • 監督または配給元などとメールのやりとりを行って上映許諾を得ます。外国とのやりとりの場合、多くの場合は英語でのメールのやりとりになりますし、メール自体がスパム扱いをされて届かないことさえ有ります。英語のメールを書くのは日本語ユーザーにとって面倒なことが多いでしょうが、監督や配給元の人にとっても英語が第一言語ではないことも多いので、英語のメールがおっくうなのはどちらも同じかもしれませんね。
  • メールが届かない、返事が来ない時には、国際ファックスをしたりもして、ねばり強く交渉をします。
  • とは言え、監督にとって、自分の映画が上映されることは嬉しいこと。私たちのこれまでの経験からも、快く上映を認めてくれる監督さんがほとんどです。
  • 上映許諾を得るための交渉は、原則としては映画祭実行委員会では行いません。なぜならそれは、上記の通りかなりの手間だからです。上映希望者の方で直接、監督や配給元と交渉をして下さい。
  • ただし、映画祭実行委員の中に、上映許諾交渉を担当してもいいという者がいた場合には、映画祭実行委員会の方で上映許諾交渉を代行することがあります。映画祭実行委員会では、これまでにも監督や配給元と交渉をした経験がありますので信頼もあり、比較的早く話が進むこともあります。なお、上映許諾交渉を代行する場合には、一定の事務手数料を頂くことがあります。

【いくらかかるの?】

 海外から映画を取り寄せて上映すためにかかる経費としては、以下のものがあります。

  1. 映画の上映料
  2. 字幕の使用料
  3. メディアの送料(往復)
  4. メディア変換料
  5. 送金手数料
  6. 事務手数料
  7. 上映技術料・会場費・広報費用など

1:映画の上映料

  • これは監督さんや配給会社が決めることですので、関西クィア映画祭として言えることはありません。
  • 相場というのも、あってないようなものなので、直接監督さんや配給会社と交渉することになります。一般的には、監督さんにとっては自分の映画が上映されることは嬉しいことですので、交渉すれば、現実に上映会を開催可能な額に収まることが多いと思います。
  • 複数回の上映という形で話を持って行くと、割引されることがあります。
  • 一般的には、映画祭で一度上映された作品を、期間をおいて再上映するような場合には、上映料は比較的安くなることがあります。一度関西クィア映画祭で上映された作品が、半年後には半額程度で上映できた例もあります。

2:字幕の使用料

 字幕使用料は関西クィア映画祭との交渉で決めます。
 私たちは、出来るだけ上映会が成立する方向でご協力したいと思っています。しかしその一方で、翻訳や字幕作成という地味な作業/労働に対しても一定の評価をしていただくことも、Queer映画業界をもり立てて大きくしていくためには不可欠なことだとも思っています。
 字幕使用料は、上映する映画の長さ(尺)、一度に使用する字幕の本数(映画の本数)、上映会が行政や企業からの支援を受けているかどうか、上映会の目的や規模、上映会入場料の価格設定、主催者の財政状況、主催者と関西クィア映画祭との関係など様々な理由によって増減します。
 字幕の使用を検討されている方は、一度関西クィア映画祭までお問い合わせ下さい。

3:メディアの送料(往復)

 通常、長編映画を外国から借りる場合、クーリエと言われる国際宅急便(FedEx/DHL/UPSなど)を使うことを指定されます。これがかなりの高額で、例えば西ヨーロッパと日本との間でBetaSPテープを送った場合、片道で14000円程度します。ただし数日で届き、配送状況もネットで確認できるなど、高サービス高価格です。独自で配給会社や監督から借りるとこういった経費がかかります。
 さて、既にこういった経過を経てテープを取り寄せ、メディア変換も済ませ、日本で日本語字幕を付けた字幕入りのminiDVテープ(もしくはDVD)を、関西クィア映画祭は持っています。
 監督から上映許諾を得れば、あとは関西クィア映画祭から上映メディアを借りることにすれば、送料は片道1000円以下(宅急便の場合)で済むでしょう。字幕使用料には、こういった国際宅急便の送料分も含まれていると考えてみてはいかがでしょうか。

4:メディア変換料

 忘れてはならないのが「メディア変換料」です。映画は、35mmフィルム、BetaSPテープ、DVCAMテープ、miniDVテープ、DVDなど、様々なメディアで創られています。上映するためには、これを自分で再生できるメディアに変換することを業者に有償で依頼する必要があります。またヨーロッパのビデオの場合、PAL形式からNTSC形式への変換も必要です。監督や配給元から来るメディアは、実に様々です。
 関西クィア映画祭で貸し出しているものは、こういった様々なメディアで送られてきたビデオ映画を、NTSC形式のminiDVに変換して日本語字幕を付けたものです。これなら、家庭用のminiDVビデオカメラで簡単に再生できるでしょう。(関西クィア映画祭では基本的にminiDVテープで作品を扱っています。ごく一部の作品についてしか、DVDでは作品を扱っていません。)

5:送金手数料

 海外に送金しようとすると、おそらく一番手数料が安いのが、郵便局の国際送金(送金手数料は2500円程度)です。同じ映画について複数地域/グループでの上映がある場合、一括して送金すると手数料を折半できて助かります。

6:事務手数料

 上映許諾交渉を関西クィア映画祭で代行する場合などには、一定の事務手数料を頂くことがあります。

7:上映技術料・会場費・広報費用など

 35mmフィルムの場合、上映には技術を持った技師への依頼が必要になります。ビデオの場合には、ビデオプロジェクターさえ用意できれば、誰でも比較的簡単に上映作業を担えます。

【貸し出し条件】

 関西クィア映画祭では、以下の条件で字幕を貸し出します。

  1. 字幕使用料
     原則として事前に、字幕使用料を映画祭実行委員会に支払うこと。映画祭実行委員会が入金を確認をした時点で、字幕の貸し出しを実行委員会として正式に認めたことになります。
  2. クレジット
     上映会の広報の際には「字幕協力 関西クィア映画祭(http://kansai-qff.org/)」等のクレジットを入れること。
  3. チラシとシネアド
     関西クィア映画祭のシネアド(30秒から2分程度の予告編映像)を上映前に流すこと。関西クィア映画祭のチラシを上映会場で全鑑賞者に配布すること。翻訳や字幕作成に関わった者が希望した場合、その者の思いや意見を記したチラシを上映会場で全鑑賞者に配布すること。
  4. 実行委員による解説など
     映画祭実行委員会が必要と判断した場合には、映画祭の実行委員が企画の中で映画の解説などの話をする時間を設けること。
  5. その他、関西クィア映画祭実行委員会が指定する条件。

【トークも出来ます】

 単に映画を上映するだけではなく、映画祭スタッフは講演などを引き受けることも出来ます。関西クィア映画祭にはいろんなセクシュアリティーの人が参加しており、それぞれ独自に様々な活動もしています。
 映画だけでは物足りないと思われるのなら、一度相談してみてください。

【問合せ】

 さて、この長い文章を最後まで読んでくれたあなたは、本当にQueer映画を上映したい人に間違いない。お気軽に、関西クィア映画祭の字幕管理担当者まで、お問い合わせ下さい。
(お返事には日数を頂くことがございます)

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