タイヘン×ヘンタイ
性別や恋愛のあり方、生き方は多様だー私たちはそう思って集まります。しかし時間を重ねると、私たち自身も他者の性のあり方に無知だったり、時には受け入れ難いことがある、と気がつきます。「LGBT」を掲げていてもゲイ男性ばかりを取り上げることは、珍しくありません。男性中心主義やバイやトランスへの無関心など性に関わる差別だけでなく、性とは別の面での差別(日本人中心主義や植民地主義、健全者主義など)も、私たちの内部にもあります。「少数派の中の少数派」を作ってしまうことや、限られた資源の中で優先順位をつけること、身近な差別・抑圧への無関心は、多数派社会だけの問題ではありません。
シングルイシュー主義や単純化した分かりやすさには用心しよう!私たちの複雑さや自分の特権に向き合い、本当に多様性を手に入れるのは、とても「タイヘン」なのです。
また最近は「LGBT」の用語が流行りですが、私たちは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、異性愛といった簡単な言葉では表しきれない存在です。恋愛対象の性別や自身の性別が、個人の人生の中で「変わる/変態する」ことだってあります。
さらに、大企業や行政の顔色をうかがい、社会の多数派に「受け入れてもらう」ためにお行儀よくすることと引換に、現にある「私たちの豊かさ」を手放すのはゴメンです。「ヘンタイだってフツーの人だ」と言うだけではなく、「あなたももっとヘンタイになれる」とも言いたい。
【タイヘン×ヘンタイ】のキャッチコピー、「私たちはひとりひとり違っている、という現実に向きあうんだ!」という心意気を表現するには、ピッタリの言葉だと思いませんか?