• 【大阪】HEP HALL - 9/15(土) 16(日) 17(月・祝)
  • 【京都】京大西部講堂 - 10/12(金) 13(土) 14(日)
会場写真: 左-HEPHALL, 右-京大西部講堂

【参考資料】京都企画 - 日本のレイシズム—朝鮮人差別への無関心

Q&A

『ウリハッキョ』を上映した2010年度パンフレットに掲載したQ&A


●なぜ日本に朝鮮人が住んでいるの?朝鮮に帰らないの?

 1945年の敗戦まで、日本は朝鮮半島を侵略し植民地にしていました。それは農民からの土地取り上げを含み、経済的な困窮を生み出しました。日本でも安価な労働力を必要としたため、多くの人が、生きるために渡日しました。一部には日本に強制連行された人もいます。その多くは日本敗戦後に帰国しましたが、生活実態のある日本に残った人も多数いました。
 在日朝鮮人とは、日本の植民地支配の結果として朝鮮半島から渡日した人たちと、その子孫のことです。特に2世3世になると、そもそも日本で生まれ、日本で生活し、朝鮮語を話さない人も多数です。在日朝鮮人には日本国籍を持っている人も持っていない人もいますが、いずれにせよ、多くの日本人と同様に、日本を生活の基盤にしています。


●在日朝鮮人は、どんな差別を受けているのですか?

 民族名を名乗って日常生活を送っている在日朝鮮人はごく一部です。日本の社会は、在日朝鮮人がカムアウトして生活することが困難な社会です。
 今でも、在日朝鮮人であるが故に貸家への入居が断られたり、就職できないことがあります。京都の朝鮮学校に民間右翼が押し掛けてきて、生徒に向かって「スパイの子ども」などと罵声を浴びせたのは昨年のことでした。
 大日本帝国時代には、日本に住む朝鮮人(男子)にも選挙権と被選挙権があり、朝鮮人の衆議院議員がいました。現在は、日本国籍がない在日朝鮮人の参政権は一方的に剥奪されたままです。また日本での生活が権利ではなく、一度海外に出ると日本への再入国に日本政府の許可が必要です。
 更に、日本の公教育において、朝鮮人であることに誇りを持ったり、朝鮮語を学ぶための教育が、保障されていません。性的少数派の運動は「全ての教室に性的マイノリティーがいる」と言ってきましたが、同様に、全ての教室に在日朝鮮人が居る可能性があります。日本が朝鮮半島を植民地にした「加害の歴史」が、公教育においてちゃんと教えられていないことも、差別を助長しています。
 以前は、公営住宅への入居にも国籍条項がありました。在日朝鮮人の運動により国籍条項は撤廃され、日本国籍保持者のみを優遇する差別制度は改められました。現在、公営住宅への同性カップルの入居を求める主張がありますが、これも、異性カップルのみを優遇する差別制度を改める主張です。


●在日朝鮮人は、帰化して日本人になれば良いのでは?

 現在の帰化制度は、単に日本国籍を取るだけでなく、多くの場合日本風に改名することからも分かるように「日本人になる」という意味を持ちます。それは「朝鮮人であること」を否定する事です。この質問は「差別が嫌なら、朝鮮人をやめて日本人になれ」と言うことで、日本人だけを優遇する社会のあり方を維持する機能を持ちます。
 ただ一方、現実に国籍による差別がある中で、帰化して日本国籍を取得した後に、裁判で姓を民族名に戻し、日本籍朝鮮人として暮らす人もいます。国籍と民族アイデンティティーとは本来は別のことなので、その意味では先駆的な取り組みの一つです。
 附記すると、国籍と民族アイデンティティーが同一であることを自明視し、かつそれを強いる態度は、トランスジェンダーの存在を認めない態度と似ています。


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