片袖の魚

片袖の魚
The Fish with One Sleeve

上映作品『片袖の魚』スチール画像

トランスジェンダー女性のひかりは、アクアリウムのコーディネートの会社員。理解のある上司や仲間は、ありのままのひかりを受け止めていて、充実している様子が伺える。
対照的に描かれているのが、外側で会う人々の無知、もしくは配慮してるつもりのマイクロアグレッション。その描写は絶妙で、観る側の立場を自然とあぶり出すだろう。
この作品で東海林監督は、主役のトランスジェンダー役をトランスジェンダー当事者からオーディションし、イシヅカユウさんを抜擢した。
これまで日本の商業映画やドラマでは、主役級のセクシャルマイノリティ役は、必ずしも当事者ではない、名声のある有名な俳優が占めてきた。日本の映画界の在り方を変えようとする姿勢を、これからも応援したい。
(ちょんかんす)

監督から

プロフィール

東海林 毅 監督
1974年 石川県 金沢市出身。

武蔵野美術大学 映像学科在籍中より
VTRによる作品制作を中心に映像作家活動を開始する。

1995年、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で審査員特別賞を受賞。

同学を自主退学と同時にフリーランスとなり2004年よりオリジナルビデオで商業作品の監督・演出を務める。
「劇場版 喧嘩番長」シリーズ(2008 - 2011)などの商業作品を監督する一方でVFXアーティストとしても幅広く活動しNHKの科学史番組「フランケンシュタインの誘惑」では放送開始時から演出やVFXを務めている。

近年、表現の幅を広げるために自主映画にも力を入れ「老ナルキソス」(2017)は第27回 レインボー・リール東京でグランプリを受賞したほか国内外の映画祭で10冠を達成。

2019年には自主映画作品のみを集めた初の監督特集『偏愛ビジュアリスト 東海林毅ショートフィルム選』が池袋シネマ・ロサで公開され好評を博した。

日本で初めてトランスジェンダー当事者の俳優を一般公募のオーディションでキャスティングした映画『片袖の魚』を脚本、監督、プロデュース。2021年7月より新宿K’s cinemaほか全国で公開中。

作品紹介

自分を不完全な存在だと思い込み、自信を持てないまま社会生活を送るひとりのトランス女性が新たな一歩を踏み出そうとする――。そんなささやかな瞬間の物語を、詩人・文月悠光の詩を原案として、ゲイ老人の性と苦悩を描いた『老ナルキソス』(2017)がレインボーリール東京や上海クィア映画祭などで最高賞を獲得し、以降に監督した作品も世界のLGBTQ+映画祭で高い評価を得ている東海林毅が丁寧に映像化した。制作開始にあたっては、日本で初めてとなるトランスジェンダー女性当事者の俳優オーディションを開催。多数の応募者の中から主役に選ばれたのは、ファッションモデルとして活躍しているイシヅカユウ。これが映画初主演となる。音楽は蓮沼執太フィルでドラマーを務める尾嶋優(Jimanica)がオリジナル楽曲を提供。主題歌「RED FISH」の歌詞は原案の文月悠光が映画のために書き下ろした。また本作では新型コロナウィルス対策として少人数かつスピーディーな制作に対応するため、全編にわたりスマートフォン(Sony Xperia 1)1 台のみで撮影が行われた。

予告編

スチール

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作品基本情報

邦題・原題

片袖の魚

英語題

The Fish with One Sleeve

監督

東海林毅 / Tsuyoshi Shoji

上映時間

34分

制作年

2021年

制作国

日本

言語

日本語

字幕

日本語字幕あり / 英語字幕なし No English subtitles

Webサイト

片袖の魚

主な上映歴・受賞歴

第32回 ホノルル・レインボー・フィルムフェスティバル APQFFA competition ★ファイナリスト
第26回 アウトフェスト・クィア・フィルムフェスティバル 招待上映
リーリング:第39回 シカゴ国際LGBTQ+映画祭 招待上映
第10回 ピンクライフ・クィア映画祭 招待上映
Q-Fest 2021 : 第25回ヒューストン国際LGBTQ映画祭 ★最優秀中編賞
第6回ミュンヘン・クィア映画祭 招待上映
キプロス国際映画祭ゴールデン・アフロディーテ2021 招待上映
第26回 パリLGBTQ映画祭Chéries-Chéris 招待上映

上映スケジュール

大阪会場

(金) 開場開演)

京都会場

(土) 開場開演)