私たちの、
私たちの、
Ours
写真家のりょうは親友の優大と小さなアパートで暮らす。大切な親友である優大と、その優大の大切なパートナーである晶行の仲睦まじい写真を撮り、仕事で写真を撮る傍ら、密かに大切に想う人の写真を撮り。りょうは自分のクローゼットに閉じこもりつつも、小さな幸せを確かに感じながら生きていた。しかしある日、優大は晶行と同棲するため、りょうと暮らすアパートを出ることを告げる。その時を皮切りに、りょうが閉じこもっていた小さくも幸せな世界は、不意に崩壊の時を迎えた。そしてりょうは大切な人に、森であなたの写真を撮りたいと言う。
りょうが森で撮るのは「最後の写真」か、それとも。
誰もが経験するクローゼットの時期に焦点を当てて描いた作品。りょうの幸せ、焦り、悲しみ。全てが昔の自分に重なり、思い起こされた。
主人公「りょう」は、観る人によっては現在であり、過去でもあり、もしかすると未来であるかもしれない。
(文責:映画祭実行委員会)
監督から
プロフィール
伊藤梢 監督
俳優・脚本家・映画監督。大学卒業後、舞台で俳優としての活動を開始。2018年に東京芸術祭のAPAF国際共同制作プログラムにて演出助手を務めたことをきっかけに、ジャンルや媒体を超えたアーティストの共同創作に関心を抱くようになる。現在は映画・舞台の出演に加えて、自らの映画製作、絵本製作を行うなど活動の幅を広げ、2021年にはJakarta Arts Council主催Collaboration Studioのコラボレーション・アーティストに選出された。
同年、映画「Unplayed Lullaby」出演。コ・プロデューサーも務める。
作品紹介
写真家のりょうは、クローゼットのレズビアン。彼女はレンズを介して愛するものに思いを馳せる。親友の優大と暮らすアパートは、りょうにとって世界一安全な場所だった。
これは、聞こえない、誰かの、愛の歌。
制作意図
今回、クローゼットのレズビアンを主人公にした物語を描きたいと考えた。タイトルには、観客に続きを想像してほしいという意図と、この物語に登場する人々の「声」がかき消されていることを表す意図を込めた。映画は、世界で聞かれない声に耳を傾けるきっかけになることができると作者は考えている。これは「私たちの」話で、ラブストーリーで、ここに生きているという声だ。
予告編
スチール
作品基本情報
邦題・原題
私たちの、
英語題
Ours
監督
伊藤梢 / Kozue Ito
上映時間
30分
制作年
2022年
制作国
日本
言語
日本語
字幕
日本語字幕あり / 英語字幕なし No English subtitles
プレミア情報
世界初