ジンジャーミルク
ジンジャーミルク
Ginger & Honey Milk
健斗は淳が好き。淳は玲衣が好き。でも玲衣はあすかとキスしてる。そして、あすかは健斗が好き!?この四角関係、一体どうなる!?KQFF2018で上映した『虹色の朝が来るまで』の、ろう者の今井ミカ監督の最新作。
聴者の私にとって、特に印象的だったのが、ろう者の玲衣が聴者の淳に「もっと勉強したら?」と言うシーン。手話を勉強しているにもかかわらず、日本手話と音声日本語は違う言語であることを分かっていない淳に対して怒るシーンだ。
このシーンからも分かるが、この映画は四角関係を描いた純粋なエンターテイメントであるだけではなく、マジョリティ(聴者)とマイノリティ(ろう者)の関係性を絶妙に描いている「差別」についての映画でもある。
これは、ろう者の今井ミカ監督から聴者のセクマイへのメッセージが込められた映画であると思う。「どうやったら一緒にいられるだろうか?一緒にいるためにあなたたちは何をしてくれるだろうか?」そう言ってるように感じられる。あなたがもし聴者であるなら、自分の特権についても振り返るきっかけにしてもらいたい、そんな作品である。
(文責:西木久実)
監督から
プロフィール
今井ミカ 監督
映画監督。第一言語が日本語と異なる言語の日本手話でろう者。
大学で映像制作を中心に学び、手話言語学を学ぶため香港へ留学。
お笑い芸人「デフW」「手話で楽しむ 生きものずかん」など、幅広くエンターテインメントをプロデュース、
またCMの手話監修など映像制作中心に活動。 2018 年初の音響付き映画『虹色の朝が来るまで』を制作、
2019 年 11 月に劇場一般公開。 最新作『ジンジャーミルク』が、2021 年 12 月の東京国際ろう映画祭にて上映。
日本財団電話リレーサービスCM監督作品『できることを、あきらめない。』が、YouTubeで2022年3月2日に公開。
作品紹介
「自分はゲイかも」と玲衣は友人の健斗にカミングアウトされる。2020年4月コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、生活の変化を強いられながらも、大学生活を送るろ う者と聴者の4人の姿を描く。彼らの甘くて辛い想いが交差した複雑な四角関係を綴るヒューマンドラマ。
予告編
スチール
作品基本情報
邦題・原題
ジンジャーミルク
英語題
Ginger & Honey Milk
監督
今井ミカ / Mika Imai
上映時間
60分
制作年
2021年
制作国
日本
言語
日本手話・日本語
字幕
日本語字幕あり / 英語字幕あり English subtitles are available
プレミア情報
関西初
Webサイト
主な上映歴・受賞歴
第3回東京国際ろう映画祭にて上映(2021年12月5日)