有色トランス女性達が立ち上がり声をあげたストーンウォール暴動は1969年6月28日。
米国LGBT運動の転換点としてよく言及されます。
今年はその50周年です。

 昨年、世界保健機関(WHO)は疾病分類から「性同一性障害」を削除し、トランスジェンダーは性のあり方の一つになりました。日本でも、お茶の水女子大学がトランス学生の受け入れを表明し、またTwitter上ではトランス女性への差別的主張が可視化しました。同性婚を求める訴訟も日本で始まり、LGBTについての法案も国会に提案されています。来年の東京オリンピックをきっかけにLGBT政策を進めようと動く人達がいる一方で、特定の女性選手を狙い撃ちにしたルールの改定や、オリンピック自体の問題を指摘する声も上がっています。また多様な性のあり方についての取り組みを始めた学校や会社、自治体も増えてきました。
 こういった最近の様々な動きは、クィアな視点からはどのように見えるのでしょうか。「知ってるつもり」のあなたにも、きっと新しい発見があるはず!盛りだくさんなミニ企画を開催します。

企画概要

企画名 ストーンウォール暴動50周年★関西クィア映画祭ミニ企画
日 時 2019年6月29日(土) 12:45開場〜20:00終了
会 場 吉田寮食堂ホール(京都大学構内)
    市バス「近衛通」徒歩すぐ・京阪電車「出町柳」徒歩20分
    https://goo.gl/maps/jKFyr8QyJdC2
参加費 500円以上のカンパをお願いします(吉田寮生・新入生は無料)

タイムテーブル(予定)

12:45 開場
▼13:00【第1部】ストーンウォール暴動50周年★
・映画『Happy Birthday マーシャ!』上映と、背景の解説(ひびの まこと)
・性別指定のないトイレやセイファースペース:吉田寮での取り組みから学ぶ(吉田寮生)
・「みんなにとって、楽しい映画祭にするために」の提案
▼14:40【第2部】映画『R/EVOLVEー結婚と平等とピンクマネー』上映

▼16:20【第3部】女性差別としての国際陸連の新規則
お題:「ONE TRACK MINDS オリンピックとインターセックス:キャスター・セメンヤが闘ったものは何か?」
お話:ヨ ヘイルさん
DSDsを持つ子どもと家族のための情報サイト ネクスDSDジャパン」主宰。20年来、海外のDSDs各種サポートグループ・患者家族会、支援団体と連携し、DSDsの正確で支持的な情報を発信している。
▼18:00【第4部】交流オフ会 一緒に食事を食べながら交流しましょう(別途実費)
20:00 終了

内容の詳細

【第1部】映画『Happy Birthday マーシャ!』
(監督 Reina Gossett and Sasha Wortzel/2015–16年/米国/15分/英語/日本語字幕)第12回関西クィア映画祭2018で上映
 実在した黒人アメリカ人でドラァグクイーンの活動家、セックスワーカーでアーティストでもあった、マーシャ・P・ ジョンソンを描いた短編作品。
 1969年NY、ストーンウォールの反乱のあったあの日、仲間たちと誕生日を祝うためにストーンウォール・インに集まった。警察からの暴力や嫌がらせに昼間は忍耐強く我慢するマーシャらも、その夜その場所でのその行為は許すことができなかった。無数のパズルのピースが、示し合わせたようにその瞬間を形作る。もし1969年でなかったら、もしNY クリストファー通りでなかったら、もしその店でなかったら、もしマーシャでなかったら。偶然と必然は表裏の関係。「もしも」の裏の「不可避」な事実。
 黒人トランス女性が執筆・監督・制作し、映画『タンジェリン』で一躍時の人となったトランス女優、マヤ・テイラーがマーシャを演じる。2015年公開された映画『ストーンウォール』からは見えてこない、マイノリティの中のマイノリティからの目線。黒人アメリカ人クィアから見たストーンウォールの反乱とは何だったのか。
 誰かの評価ではない、黒人アメリカ人による、自分たちの物語。

  


【第2部】映画『R/EVOLVEー結婚と平等とピンクマネー』
(監督 billie rain/2013/米国/85分/英語/日本語字幕)関西クィア映画祭2013で上映
 同性婚が法律で認められれば全て上手く行くはず。リンカーンと婚約したばかりのルーカスはそう思っていた。
 企業のイメージアップのために同性婚キャンペーンを計画したビッグコープ社。やはりモデルはイケメン白人ゲイか、それとも…その広告を任されたリンカーンは、クィアなヒッチハイカー・ラクーンと出会い、保守的な会社と相容れない自身の思いに気付く。
 結婚の平等とは何か。その代償は何なのか。同性婚が話題の米国から、レイシズムやお金問題も考えられる、楽しくてためになるエンターテイメント映画。

  


【第3部】女性差別としての国際陸連の新規則
南アフリカの女性選手、キャスター・セメンヤさん。世界陸上選手権(2009年ベルリン/2011年大邱/2017年ロンドン)やオリンピック(2012年ロンドン/2016年リオデジャネイロ)の800m走で優勝を重ねてきた。
しかし、2009年のベルリンでの金メダル獲得以来、セメンヤさんは一方的に「性別疑惑」を着せられ続けてきた。国際陸上競技連盟はセメンヤさんに性別検査を課し、2010年にはセメンヤさんが女性として競技することを公式に認めた。しかしその後2018年、テストステロン値を制限する新規則を国際陸連が導入したため、スポーツ仲裁裁判所に提訴するに至っている。

【参考資料】

主催・問合せ

主 催 関西クィア映画祭 実行委員会
ウェブ https://kansai-qff.org/
メール info★kansai-qff.org(★→@)
電 話 080-3820-2731(留守電にメッセージをお願いします)
F A X 06-7878-8882